切子

宙吹きガラスの助手


用途の一つ切子

宙吹きガラスは芸術品として作品になることもありますし、切子細工によって切子になることもあります。
切子とはカットグラスのことで、ダイヤモンドホイールなどでグラスの表面を彫りこんで彫刻します。芸術性さえも感じられる工芸品もあり、焼酎や冷酒を美味しくしてくれます。
宙吹きガラスでできたグラスは切子の素材として切子工場に運び込まれ、最初に割り出し線が描かれます。割り出し線を頼りに切子模様を切っていくわけですが、これが切子細工です。切子細工を行う時、下絵図案は書かれていません。頭の中にあるのです。頭の中の図案と割り出し線を頼りにダイヤモンドホイールで切子細工を進めていきます。
三番掛けという細かい切子細工の工程が終わったら、木の砥石で磨きをかけますと、ピカリとかがやく切子が完成します。
切子には江戸切子と薩摩切子がありますが、江戸切子は透明感が高く、薩摩切子はぼかし模様がほのぼのとした感じを出してくれます。

助手

宙吹きガラスを吹くには大抵助手が必要となります。下玉を持ってきたり、炉に入れたり、ポンテをつけたりしてもらうためです。その助手のよしあしは作品のよしあしにも影響することしばしばです。
助手の技量が作品に影響するとあっては、失敗が続くと、つい、助手のせいにしたくなるでしょうけれどもそれは当然大きな間違いです。
助手を育てることは作家の仕事なのにそれを怠っているからです。それを分からず、あるいは自覚していない作家はプロとは言えないのではないでしょうか。
自分が助手を経験してみることは助手を育てる上で大切なことではないかと思います。知り合いの作家に頼んで、数日間助手をやらせてもらうのです。
宙吹きガラスにおける助手の仕事として大切なことは、タイミングの取り方です。作家を待たせるようなことのないように下準備しておくことも大切です。
種をまきつけたりする技術そのものはある程度練習すれば出来るようになるでしょう。
作家と助手の関係は、作家と助手と言う関係ではまずいのです。人間と人間との思いやりの関係であって欲しいのです。
お互いに相手の心を感じ、作家は何をしようとしているのかを同体となって感じ取ることの出来る助手であり、助手は今から何をしようとしているかを感じ取れる作家であるべきです。
そこは単なるお金で雇っているということではない人間性の問題だと思います。
しかしそういう人間関係が面倒で、助手を持たない作家も珍しくはありません。
でも、これは私の想像ですが、そういう作家が宙吹きガラスの作品を作ろうとすれば、作品作りの上において何らかの限界が出てくるのではないでしょうか。
創作作家の宙吹きガラスだけが助手を使うわけではありません。江戸切子や薩摩切子の素材を相当数作る工場でも助手を使いながら生産する場合もあります。

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