切子

宙吹きガラスの技法


宙吹きガラスは色々の物を作ることが出来ます。グラスや皿など大抵のものは作れます。その製品を素材として江戸切子に細工されることもあります。江戸切子と言うのは、日本で始めて江戸時代に作られた切子細工の伝統が今でも続いている切子です。

下玉作り
宙吹きガラスの最初の工程は下玉作りです。熔けたガラスを吹き棹の先端に巻き取り、少し吹きながら宙で丸い形に整えます。

重ね巻き
下玉の上に熔けたガラスを重ねまきして下玉を大きくします。もちろん宙で行います。
大きな下玉が必要な場合には、二度三度と重ね巻きします。当然大きな宙吹きガラスとするには大きな下玉が必要です。

本吹き
宙吹きガラスの宙吹きらしい所を表している工程です。 新聞紙を折りたたんだりして作った、紙リンで下玉の形を整えながら、下玉を大きく膨らませます。この作業の間、常に棹を回転させておかないと、軟らかくなっているガラスは重力によって変形してしまいます。

線入れ
膨らんだ製品の棹に近い部分を鉄製のハシなどで挟みながら回転し、細くくびらせるように線を入れます。
これは製品を棹から切り離すための準備です。

ポンテに移す
製品の棹と反対側のところにポンテという鉄棒を付けます。
先ほどくびらせておいた線のところで切れば、製品はポンテ上に移ります。

口開き
ポンテを回転させながら宙で切り口を広げ、形を整えれば出来上がりです。切り口を広げるのには通常木バシを使います。
最後にポンテを切り離します。切ったところはバーナーで滑らかにし、徐冷します。
完成すれば、それで製品とする場合もありますし、切子細工の素材として、江戸切子の切子工場に送る場合もあります。
切子細工とは、製品の表面に切子を施す細工のことです。切子はカッティング、細工は細かな手仕事と言う意味です。

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